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【資格試験】中小企業診断士 経済学・経済政策 「経済学の基礎」 Part.2

基礎用語

今回の投稿では、経済学・経済政策で用いる基礎用語を紹介します。どこかで聞いたことがある言葉も登場するかと思います。軽い気持ちで、読み進めてください。

トレードオフ機会費用

トレードオフという言葉は、ご存知の方も多いのではないでしょうか。これは、「何かを選択して得た代わりに、何かを失う」といった意味になります。例えば、アルバイトを休んで遊園地に行った場合を考えてみましょう。この場合、得たものと失ったものは、ざっと以下の様になるかと思います。 得たもの

  • 休息の時間
  • 楽しいひと時

失ったもの

  • 遊園地の入園料 5,000円
  • 給料 8,000円

この例の場合、楽しい時間と引き換えに、遊園地の入園料を支払い、また、給料も失うことになります。これを「トレードオフ」と呼びます。 また、経済学では、トレードオフによって失ってしまった費用を、「機会費用」と呼びます。これについて、上の例で説明します。上の例の場合、「費用」というと、実際に支払った、入園料の5,000円のみがそれに当てはまると思われる方も多いのではないでしょうか。しかし、経済学では、給料である8,000円も、費用と考えます。つまり、もし遊園地に行っていなければ、アルバイトで8,000円稼いでいた。だから、この8,000円も失った費用として考えるということです。つまり、上の例の場合、経済学でいう機会費用を計算すると、5,000円+8,000円で13,000円がトレードオフにより失った機会費用ということになります。

限界

次に、「限界」という言葉について、説明します。「限界」という言葉を聞いて、皆さんはどのようなイメージを抱かれるでしょうか。体力の限界とか、限界ギリギリといった言葉があるかと思います。なにかコップのようなものがあって、そのすれすれまでといったイメージでしょうか。経済学でいう「限界」は、そのイメージとかけ離れています。理解しづらいと思いますが、経済学でいう「限界」は、「割合」を意味します。具体的には、「何かが少しだけ増加したとき、他のものがどれだけ増加するかの割合」を表します。例を出してみましょう。例えば、パン屋さんでメロンパンを作るとします。この時、1個作る為には100円の費用がかかり、2個作るためには150円の費用がかかったとします。つまり、作る個数を1つ増やしたとき、全体の費用は50円UPするということです。この時、限界費用は50円ということになります。繰り返しになりますが、「限界」とは、「何かが少しだけ増加したとき、他のものがどれだけ増加するかの割合」を表します。つまり、上の例では、「メロンパンを作る個数を1個増やしたとき、費用が50円UPする」ということになり、限界費用は50円ということになります。

ミクロ経済学マクロ経済学

次に、「ミクロ経済学」と「マクロ経済学」について、説明します。「ミクロ」と「マクロ」という言葉を聞いて、皆さんはどんなイメージを抱かれるでしょうか。ミクロは、とても小さいというイメージを抱かれるのではないでしょうか。マクロはその反対で、とても大きいというイメージになるかと思います。経済学でも一緒で、ミクロ経済学は、小さな範囲にスポットをあてて分析をしていきます。逆に、マクロ経済学では、大きな範囲(広い視野)で経済を見て、分析をしていきます。具体的に言いますと、ミクロ経済学では、家計や企業にスポットをあてて、その需要や供給の分析を行います。例えば、スーパーでお肉を売る時、いったい何円で販売すれば、満足を与えることができるのか。そういった内容を、分析していきます。 マクロ経済学では、範囲がもっと大きくなり、国などにスポットをあてて、経済の分析を行ないます。例えば、日本という国全体の、需要と供給を分析するといった内容です。日本では、日本銀行がお金を製造し、国に供給しています。この供給量について、ベストな量はどのくらいか、というような内容を分析をしていきます。お金を製造しすぎても、しなさ過ぎてもダメなわけです。

古典派とケインズ派

次に、「古典派」と「ケインズ派」について、説明します。「派」という文字がついていますので、これは学派になります。経済学の派閥だと思ってください。 まず、古典派は、その名のとおり、昔からある考え方になります。古典派の考え方に代表されるのが「セイの法則」です。フランスの経済学者ジャン=バティスト・セイによって発見されました。これは「供給は自ら需要を作り出す」という法則になります。つまり、何かを生産し、供給すれば、それが需要を生み出すということです。 具体的に言いましょう。ある家電メーカが、テレビを100万台生産し、市場に投入しました。すると、需要が生み出され、その100万台が完売するということです。夢のような話ですね。とりあえずなんでも作って売り出せば、みんながそれを欲しくなり、完売できるということです。しかし、これにはある一つの前提条件があります。それは、「価格の伸縮性」です。価格の伸縮性とは、つまり、価格の変動です。先ほどの例で言うと、100万台を完売させるために、お客さんが払えるレベルまで価格を下げるということです。謎が解けた気がしませんか。極端な話、売れないのであれば、価格を1円まででも下げれば、完売できるということです。価格の伸縮性により、需要と供給は常に一致する。これが古典派の考え方です。 また、古典派の考えのもとでは、非自発的失業もありません。非自発的失業とは、働きたいのに働けない状態での失業、つまり、リストラのことです。なぜ古典派の考えのもとではリストラが発生しないのか。ここにも、価格の伸縮性による、需要と供給の一致がかかわってきます。どういうかというと、企業は労働者を雇うために、賃金を支払います。経営が苦しくなると、その賃金を支払うことができず、リストラしなければなりません。しかし、労働者に支払う賃金を下げれば(価格が伸縮すれば)、雇うことができます。つまり、企業が雇えるレベルまで賃金を下げれば、リストラせずに雇い続けることができるということです。雇われる側からしたら、たまったもんじゃありませんね。かなり無理がありますが、これが古典派の考え方です。 この古典派の考え方を覆すことになるある事件が、1929年に発生します。それは、ニューヨークの株価暴落に端を発した「世界大恐慌」です。この時、多くの失業が発生し、商品もたくさん売れ残りました。つまり、古典派の考え方では説明できない状態になったのです。この時、もう一つの派閥である、ケインズ派の学者たちは気づきました。「価格の伸縮性には限界がある」と。売れないからといって、1000円の商品が100円や10円になったり、雇えないからといって、労働者の時給が100円や10円にはならないということです。これを「価格の下方硬直性」と呼びます。値下げには限度があるということです。値下げに限度があるということは、商品が売れ残ることもあるし、リストラも発生します。そして、ケインズ派は、 「有効需要の原理」という考えを打ち出します。これは、需要の大きさにあわせて、それに見合った供給をするという考え方です。古典派は、供給すれば需要が生まれるという考え方でした。ケインズ派はその逆です。パンを食べたいという世間の需要があるので、パン工場でパンを製造し、供給する。その工場の建設や、工場内でのパン製造に人手が必要なので、雇用が発生する。そして、こういった世間の需要に働きかける(小さな視点で言うと、CMやチラシなどでしょうか)ことで、より大きな需要が生まれ、それに合わせて生産や雇用も増える。そして経済が動き、循環する。これがケインズ派の考えです。こちらのほうが現実にマッチしていると、皆さん思われるのではないでしょうか。 今回は、経済学の基礎用語について、説明させていただきました。 最後まで読んでいただき、ありがとうございます。